乾燥肌
見ているだけでもハリがなさそうで可哀想になってきてしまう乾燥肌。外からの視覚だけでも栄養が足りなさそうと
いうことがわかります。このようにすっかりしぼんでしまった乾燥肌には、もともとの体質や空気の乾燥具合も起因
していますが、やはり体内の栄養素が機能しているか否かは大きなポイントです。
肌を支えている栄養素にはさまざまなものがあり、それぞれに大切な機能を果たしています。肌を構成している成分
はもちろん1つではなく、複数の構成要因が重なり合って始めて健康な肌を作りだしているのです。
それらの栄養素は、体内で生成できるものもありますし、食物からでないと補給できないものもあります。
そして、体内で生成できるものも生成要素がそろっていないと作り出すことができないため、その体内環境を整える
ことも大切なのです。
まずは自分の体調を万全にして肌の機能が正常になるのを支えるところから乾燥肌の改善は始まります。しぼんでし
まった乾燥肌を復活させるために何かできるのは自分自身だけです。
人の肌を形成している組織は何層かに分かれており、表面に角質層、その下が表皮、さらにその下に真皮という層が
あります。これはそれぞれに構成されるものが違うわけですが、肌の健康を保つためには各々を構成する成分が整っ
ている必要があります。それらを食事によって補うか、表面から補うかでケアがわかれてきますが、表面から施すケ
アが有効なのは角質層までとされています。それより奥には栄養素は届かないのです。そのため、肌を構成している
ものは体内に摂取することが推奨されています。
また、各栄養素は、その組織細胞に含まれるもの、そこに含まれるものの機能を最大限に引き出すもの、またその組
織を守る役割を果たすものなどいろいろです。つまり、肌の健康を守る栄養素は、それぞれに助け合いながら皮膚を
形成しているわけです。
そして、肌を作る各々の栄養素は、普段からバランスのよい食事を心がけていればそう著しく欠けることはありませ
んが、そうもいかないのが現代人です。忙しい、食事を作る時間がない、単純に面倒くさいといった理由でバランス
を考えた食事を用意できないこともあるでしょう。
そのようなときでも、摂るべき栄養素を意識しているだけで食べるものは変わってくるはずです。
肌を構成するさまざまな栄養素は、食事からそれぞれ補給することが可能です。では、その栄養素にはどのようなも
のがあるのでしょうか。
まず、乾燥肌のつらさをそのまま表しているのが角質層。これは、表皮から死滅した細胞が表面に浮いてきた細胞に
よって構成されています。これが実質皮膚を守る役割を果たしており、乾燥などによって肌が傷つくのもこの部分で
す。ここには、天然保湿因子であるアミノ酸などを含むNMFという成分があり、これが潤いを守っています。
そして、その細胞間をセメントのように埋め尽くす物質がセラミド。この2つの成分によって角質層組織のバランス
は保たれています。
その下にある表皮も細胞が整然と並んでおり、上から顆粒細胞層・有棘層・基底層という3層に分かれています。さ
らに下にあるのが真皮であり、ここを構成している成分が美肌成分の代表と言われるコラーゲンです。
これらの成分そのものとすべての組織の基盤となるタンパク質、そしてこれを維持するビタミンA・B群・C・Eなど
の栄養素も必要となってきます。乾燥肌を改善するためには、これらの栄養素をバランスよく補給することが大切な
のです。
各々の栄養素が組み合わさって初めて健康な肌となります。